日本経済を学ぶ 6日目 リーマン・ショックを学ぶ


リーマン・ショックとは

リーマン・ショックとは、2008年アメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻したことで起きた世界的金融危機(世界同時不況)です。そしてこのリーマン・ショックを知るには2007年のサブプライムローン問題を知らなくてはいけません。

サブプライムローン問題とは

サブプライムローン問題とは、簡単に言うと低所得者へのローンです。

2000年以降のアメリカは住宅価格が上昇していました。
それはITバブル崩壊により、その対策として金融緩和をしていたからです。金融が緩和されていたので金利が下がり、お金が借りやすい状況だったため、住宅ローンを借りて家を建てる人がたくさんいました。住宅需要が大きかったのです。

さらに銀行は、信用力の低い人にもお金を貸し出していました。
これがサブプライムローンという名前の由来です。元々プライムローンという言葉があり、意味は『最優遇貸出金利』で、つまり信用力のある人向けの一般的なローンの事です。そのプライムローンより信用力が低い人に貸し出すので、サブ(下)プライムローンと言います。

なぜそんな明らかにリスクが高い事をしたのか…。
それはアメリカという国の特徴でもある『移民制度』が関係しています。

アメリカは移民を受け入れているので、元々そういった人々が家を買う需要があったのです。ただこの時のアメリカは、バブルの特徴でもある『人々の強気』に当てはまっていました。

特に銀行は強気であり、積極的に貸し出しを行っています。もし返済することができなくなっても家を担保として貸し出すことで、もしもの時は担保である家を売って元本を回収しようと考えていたのです。また、その強気の表れとして住宅ローンを証券化し投資家へと販売していました。

やがて住宅バブルが崩壊し、元々『借り換え』を前提として借金をしていた低所得者達は借金を返済することが出しず、この大量のサブプライムローンが焦げ付き、銀行は巨額の貸倒損失が発生しました。そして証券化された証券を大量に保有していたリーマン・ブラザーズは大きな損失を被り破綻したのです。

リーマン・ブラザーズ破綻の影響

リーマン・ブラザーズの破綻後、その他金融機関も破綻するのではという危機感から、金融機関同士の貸し借りが慎重になり、やがて資金不足に陥る金融機関が現れます。資金不足になった金融機関は保有する証券を売却します。また銀行の場合は貸し渋りが起きます。なので株価は下落し、景気は悪くなりました。ここでアメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備銀行)は大量の資金を市場に投入します。

これが『量的緩和』です。

また、日本の金融危機の時の様に銀行が自己資本不足になっていたので、政府は公的資金を注入します。これら政府とFRBの対応により事態は収束に向かいましたが、依然景気は悪化したままであり、大量に失業者が増えてしまいました。

世界経済への影響

リーマン・ショックにより世界経済も大きな打撃を受けました。
ヨーロッパの銀行などもアメリカの住宅ローン証券を購入していたので損失を被ったのことと、銀行間の貸し借りが減ったため、世界的な資金不足が世界経済を悪化させます。

特に日本ではアメリカの量的緩和の影響で急激な円高になり、輸出が大きく減ってしまいました。ただ、日本の金融機関はアメリカの住宅ローン証券をあまり保有していなかったので、ヨーロッパに比べ被害が小さかったことが不幸中の幸いと言えます。

そして中国はこの苦難を巨額の財政出動などにより乗り切り、驚くべき成長を遂げます。それによる需要拡大は、ある意味で中国が世界経済を支えたと言えるでしょう。

あれから5年

リーマン・ショックから5年後の2013年。
アメリカは少しづつ景気を回復します。それにより、2014年から量的緩和の縮小が決まり、今後も着実に景気は回復すると予想されています。事実、ダウやS&P500といった株価指数も史上最高値を更新したりといった良い結果が出ています。

また日本もアベノミクスにより円安株高がなり、企業業績が好調で、給料がアップ(ベースアップ)するかもとの報道もあります。これがホントに実現すればデフレ脱却が現実となり、日本経済は成長することが出来るでしょう。なんて分かった風な事を言ってみたりしました。笑

おしまい。


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