広瀬隆雄氏がバリュー投資についてオンラインセミナーをしていたので勉強を記録します。

目次
バリュー投資とはなにか?
コロンビア大学で教えていたベンジャミン・グラハムとデイビッド・ドッドが作った投資方法です。1934年に『証券分析』という本を出し、これがバリュー投資のバイブル。
バリュー投資には以下の3つの要素があり、この内1つでも欠けるとバリュー投資は成立しない。
- 内在的価値
- 安全ののりしろ
- 時間
内在的価値とは収益力(Earning Power)
収益力の定義
過去10年間、その一株当たり利益を10年分たした数字(過去10年間のEPSを全部たした数字)、これをその時点の株価と比べて、割安か割高かを判断する。
また、10で割る事で単年度の収益力が出るので、単年度のEPS比較も可能。
収益力≠目標株価(ターゲット株価)では無い。
収益力はあくまでロングターム(長期)の平均としてどれだけ稼ぐ力があるかを示しており、当然、検証期間が違うと収益力が変化します。つまり、その企業の稼ぐ力を大まかに知るためのものなので、数字にこだわる必要はない。ベンジャミン・グラハムは「Adequate=十分な、かろうじて満足できる」と表現しています。
安全ののりしろ=Margin of Safety
過去と比較して割安な値段で買う事。
時間
バリュー投資は長期の視点で儲けを得る方法である、という意味。また、投資対象の企業が上場してからどのくらい経っているか、という意味もある。少なくとも50年の歴史がある企業が投資対象になる。
バリュー投資の対象となる銘柄の特徴or基準
- 昔からある企業=歴史が長い企業
- わかりやすいビジネスである事
- イイビジネスである事(下参照)
バリュー投資に向いているイイビジネスの定義
- 事業規模がものすごく大きい
- 市場シェアが圧倒的である
- 構造的な競争優位性
- 太刀打ち出来ないブランド力
- ネットワーク効果
- ユーザーや顧客にとって乗り換えコストが大きすぎる
借金が多い会社はバリュー投資対象外!=財務力
収益安定性=過去のEPSの振れ幅(特別損失や事業売却などの一時的要因がある場合はEPSがブレるので注意する)と営業キャッシュフローの両方見て安定している事。
PERが13倍以下の銘柄は注意。買わない方がいい。また、25倍以上の銘柄も注意。
利回りのスイートスポットは2~3%。5%を超えたら要注意。
営業キャッシュフロー(CFPS=キャッシュフロー・パー・シェア)÷一株当たり売上高(SPS=セールス・パー・シェア)=営業キャッシュフロー・マージン
目安は20%、最低でも10%は欲しい。
バリュー投資は、単純に安い株を買う手法ではない!
バリュー投資に当てはまる銘柄はものすごく少ないので、世界のバリュー投資家はみんな同じような銘柄を持っている。
バリュー投資での注意点
『新製品』『有望』『エキサイティング』『キャンペーン』『将来性』という言葉を聞いたら、その銘柄はバリュー投資としては不的確、対象外。これらの言葉とバリュー投資の概念は真っ向から逆の概念。例としてバリュー投資に向かないのは『アップル』。
配当利回りが7~8%ある銘柄は買ってはいけないし、保有銘柄の配当利回りが7~8%になったら必ず売る。なにか悪い要素が隠れている可能性が大きい。
バリュー投資の売買タイミング
市場参加者が悲鳴をあげている時が買いタイミング!
売りタイミングはない。最低でも5年保有がバリュー投資。バリュー投資は、投資対象を選別している時点で、選び抜かれた銘柄であるはずなため、一喜一憂せず長期保有が前提。
ただ、調子がいい時に経営陣を自ら変えるようなら売るべき時かも知れない。
おしまい。